ウイルス感染でおこる子宮けいがん
「がんってたばこでなるんでしょ?」
「オトナがなるものだから私は関係ない」って思っていませんか?
実はウイルスの感染がきっかけでおこる“がん”もあります。その1つが子宮けいがんです。
HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられています。
このウイルスは、女性の多くが“ 一生に一度は感染する”といわれるウイルスです。
感染しても、ほとんどの人ではウイルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。
現在、感染した後にどのような人ががんになるのかわかっていないため、感染を防ぐことががんにならないための手段です。
何人くらいが子宮けいがんになるの?
日本では毎年、約1.1万人の女性が子宮けいがんになり、毎年、約2,900人の女性が亡くなっています。患者さんは20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。
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一生のうち子宮けいがんになる人:1万人あたり132人
(1クラス35人の女子クラスとして換算して“2クラスに1人くらい”) -
子宮けいがんで亡くなる人:1万人あたり34人
(1クラス35人の女子クラスとして換算して“10クラスに1人くらい”)
出典 国立がん研究センター がん情報サービス 2019年全国推計値に基づく累積罹患リスク、2021年累積死亡リスク、 2021年人口動態統計がん死亡データより
HPVワクチンの効果
HPVの中には子宮けいがんをおこしやすい種類(型)のものがあります。
HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。
現在日本において受けられるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)、9価ワクチン(シルガード®9)の3種類あります
サーバリックス®およびガーダシル®は、子宮けいがんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮けいがんの原因の50~70%を防ぎます。
シルガード®9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類※2のHPVの感染も防ぐため、子宮けいがんの原因の80~90%を防ぎます。
また、HPVワクチンで、がんになる手前の状態(前がん病変)が減るとともに、がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
HPVワクチンのリスク
筋肉注射という方法で注射します。注射部位の痛み・腫れなどが見られることがあり、まれにアレルギー症状が起こることがあります。
また、広い範囲の痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動などの多様な症状(機能性身体症状)も報告されていますが、ワクチン接種との因果関係については証明されていません。
接種後に気になる症状が出たときは、まずはお医者さんや周りの大人に相談してください。
子宮けいがんで苦しまないために、できることが2つあります
今からできること
日本では、小学校6年~高校1年相当の女の子を対象に、子宮けいがんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチンの接種を提供しています。
HPVの感染を防ぐことで、将来の子宮けいがんを予防できると期待されています。
カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは女の子の約8割以上がワクチンを受けています。
20歳になったらできること
HPVワクチンを受けていても、子宮けいがん検診は必要です。
定期的に検診を受けることが大切です。
HPVワクチンについて知ってください
すべてのワクチンの接種には、効果とリスクとがあります。
まずは、子宮けいがんとHPVワクチン、子宮けいがん検診について知ってください。
周りの人とお話ししてみたり、かかりつけ医などに相談することもできます。
HPVワクチンを受けることを希望する場合は
小学校6年~高校1年相当の女の子は、HPVワクチンを公費で受けられます。
病院や診療所で相談し、どれか1種類を接種します。ワクチンの種類や接種する年齢によって、接種の回数や間隔が少し異なりますが、いずれのワクチンも、半年~1年の間に決められた回数、接種します。
なお、公費接種期限を過ぎると9価HPVワクチンの場合、接種費用は3回接種で約10万円かかります。
接種には、保護者の方の同意が必要です。
キャッチアップ接種(HPVワクチンの接種を逃した方へ)
次の2つを満たす方が、あらためて接種の機会をご提供する対象となります。
過去に接種したワクチンの情報(ワクチンの種類や接種時期)については、母子健康手帳や予防接種済証等でご確認ください。
なぜ、あらためて、接種の機会が設けられるのですか?
HPVワクチンの接種を個別にお勧めする取り組みが差し控えられた間に、定期接種の対象であった方々の中には、ワクチン接種の機会を逃した方がいらっしゃいます。
こうした方に、公平な接種機会を確保する観点から、あらためて接種の機会をご提供しています。
過去に、1回のみ接種した場合や、2回のみ接種した場合にも対象となりますか?
HPVワクチンは合計3回接種します。1回接種したことがある方は残り2回、2回接種したことがある方は残り1回、公費で接種を受けることができます。
接種可能な時期について
上記の対象者は、令和7年(2025)年3月末まで、公費で接種できます。
3回の接種を完了するまでの期限がせまっています。標準的スケジュールの場合、3回接種を完了するには2024年9月末までに1回目を接種する必要があります。希望される方はなるべく早く接種しましょう。
公費接種期限を過ぎると、9価HPVワクチン接種には3回接種で約10万円の接種費用がかかります。
接種啓発チラシ(一宮市医師会作成)
HPVワクチン接種啓発を目的に一宮市医師会が作成したチラシです。
医療機関や公共施設などに配布しています。
ぜひご活用ください。
*画像をクリックするとA4両面チラシPDFファイルがダウンロードできます。
【名義:一宮市医師会版】
【名義:白紙版】
接種するワクチンの種類とスケジュール
公費で接種できるHPVワクチンは、3種類あります。
それぞれのワクチンは、決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します。
・2価ワクチン(サーバリックス®)
・4価ワクチン(ガーダシル®)
・9価ワクチン(シルガード®9)
一宮市内での接種方法
接種対象となる方は、一宮市に住民登録がある小学校6年生~高校1年生に相当する女子、また、平成9年4月2日から平成20年4月1日までに生まれた女性の方は、定期接種の対象年齢を過ぎても、令和7年3月31日までキャッチアップ接種の対象となります。
詳しくは、次の一宮市ホームページをご覧ください。
出典:厚生労働省ホームページ (HPVワクチンに関する情報提供資材)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/leaflet.html